首里の4酒造所を巡る「オトナの遠足」その2「咲元酒造」

過日、牧志公設市場の「琉夏酒店」様の主催企画があり参加してきましたの二軒目。

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その1の「瑞穂酒造」に続いて訪問しましたのは首里三箇の鳥堀を代表する「咲元酒造」元々は佐久本さんです。

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泡盛の製造は物凄く大雑把に行程を分けると以下の5つです。
【蒸米・製麹】【仕込み】【蒸留 熟成】【貯蔵・熟成】【充填・ラベル張り・出荷】大雑把すぎwですが、今回、この中からいくつか学んだことを備忘録で。

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【蒸米・製麹】

この機械で米を蒸します。

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泡盛はタイ米を使用しますが、その理由は、硬質米のためさらさらしていて、米麹にしたときに作業がしやすい 、水や酵母を加えてアルコール発酵させるときの温度管理がしやすい、などの理由がありますが、個人的にはタイ米は米に含まれる油分が多いから美味しい泡盛になりやすいのだと思っています。

その、タイ米ですが昔は輸送途中で欠けたり崩れて左のようになっていたのですが、これが実際は化学変化を起こす際に表面積が増えて美味しい酒を作るのには好都合だったようです。現在は右のような状態で輸入されますが、その後、わざわざ砕いているようです。

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蒸し上がった米を冷却後に泡盛独特の「黒麹菌」を散布、三角棚などで暫く・・・この工程を製麹(せいきく)と言います。大体2~3日ですが、製麹時間が変えることで、麹菌の作る酵素の量やバランスが変わり、泡盛の風味に影響を与えます。今帰仁酒造に行った時に、最近はアッサリ風味が好まれるとかで時間を短めにしたものにシフトしているが、通好みのクセの強いものは長時間で、というオハナシでした。

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ところで、焼酎と泡盛の違い・・・一般的な焼酎では、まず米麹あるいは麦麹をつくり、それに水と酵母を加えて発酵させて(コレが1次仕込み)、その途中で主原料となる芋や麦、米、そばなどを仕込んでさらに発酵させます(コレが2次仕込み)泡盛は1次仕込みのみ。つまり麦などの風味付けの主原料を投入する行程があるのが焼酎、これがなくて一回で仕込む(全麹仕込み)のが泡盛です。

【仕込み】

麹に水、酵母を加え、もろみを仕込みます。発酵期間は約2週間で、もろみが熟成します。これは、まだ割と仕込み始めの状態でしょうか、仕込みが終わって蒸留前の泡盛は度数は18度ぐらいと、ここまではいわゆる日本酒っぽい感じですね。

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【蒸留 熟成】

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単式蒸留器です。これは横型、更に申せば「濃縮塔」のないタイプでしょうかね。他に縦型もありますが、この横型ですとワタリという連結管(天井のほうで右に直角に折れている管)と釜の中のもろみの液面までの距離(高さ)が短い。つまりは泡盛のいろいろな成分がそのまま連結管まで届きやすい、故に蒸留後もスッキリというよりもドッシリとした味わいになるわけ。焼酎は縦型が多いのですが、泡盛は横型が多いようです。古酒として寝かせてまろやかにすることを考慮してのことでしょうかね。

因みに今帰仁酒造には縦型がありました。これだと、釜の中の液面とワタリまでの距離(高さ)があるので雑味など含め泡盛のいろいろな成分が届きにくいのでスッキリタイプとなるようです。最も雑味も旨味のうちwさらに、これは蒸留工程のみのハナシであって、先述した製麹の段階で調整したりもするので、縦型蒸留器=スッキリ味と一概に言えるわけではありません。

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さて、ここで実食タイムならぬ試飲タイム、酒造所裏手の裏庭っぽい場所で沖縄風枯山水を愛でつつ・・・。

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この「十五号タンク」は美味いですね。

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これは結構お値段高めで断念、残り数本の在庫とのことでしたが。

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最後に、これは美味そうでしたがねぇ・・・・・・

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